Christopher Alexander さん

パタン・ランゲージ―環境設計の手引


パターン関係の文献を読んでいてふと思ったこと。


パターン言語という考え方は、Christopher Alexander という建築家が著著 " A Pattern Language: Towns, Buildings, Construction" (邦訳: パタン・ランゲージ―環境設計の手引) で著したのが最初ということですが、今、google"pattern language""Christopher Alexander"を検索すると、少なくとも日本語のサイトで上位に来るのはソフトウェア関係のサイトばかりです。


ソフトウェア業界でのパターン言語の果たした(ている)役割云々とは別に、もともとの建築業界でのこの人の評価はどうなんだろうとふと気になりました。

  1. どの程度有名?
  2. 過去の人?
  3. 著作って有名? 現代でも通用してる?

あたりです。


...ごく身近に建築を学んでいる人がいるので聞いてみました:

> 有名?
建築史の教科書に「こんな一派もあった」的に書かれる程には有名。
時代の主流意見に一石を投じた意味で、注目は高かった人。

> 過去の人?
今70歳くらいのはず。まあ、過去の人かな…。

> 著作って有名?
パタン・ランゲージは有名。あとは『都市はツリーではない』とか。

> 現代でも通用してる?
思想は否定されていないけど、その理論をもとに彼が設計した建築*1が、ユーザーにとっていい建築かは疑問視する声も。

また、「建築理論屋さんだからかもしれないが、実作が少ないのが気になる」そうです。建築業界で、「パターン言語」から発展した何か(曖昧ですが…)がないか聞いてみましたが、「当時(70年代)でも主流とは言いがたい位置にいた人なので、そこから発展したものというのは思いつかない」とのこと*2


ソフトウェア業界でよく引き合いに出される旨 話したところ「ソフトウェア業界よりは、もうすこし熱の落ち着いた目で見られているお人かと思います」との見解を頂きました。いやまぁ、一人に聞いただけですが*3、ちょっとお勉強になりました。( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー


(追記) お、http://www.ogis-ri.co.jp/otc/hiroba/Report/OOSympo2003/pattern.html には

建築業界ではソフトウェア業界のようにパターンが広く認識されていないので、ソフトウェア業界から影響を与えてもらって、建築業界での認識を広げていきたいというお話もありました。

なんて記述もありますねぇ。

*1:埼玉の学校: http://ma-museum.com/saitama/ten-higasino/30-higasino-koko.htm など

*2:まぁAlexanderさんは最近の著作もあるようなので、それを読んでみるのも面白いかもしれない。あーでも訳されていないな。畑違いの分野の洋書はちょっと私にはムリだ

*3:そんなに詳しくないと言ってたし