YLUG カーネル読書会 (1)

茅場町NTTデータさんのビルで。お題はSELinuxとLIDS。講師は中村さんと面さん。中村さんは、「SELinux徹底ガイド」の著者の方で、日本で多分一番SELinuxに詳しい方です。宴会にも参加して沢山飲んで帰宅。SELinux話も面白かったし、LIDSについては何も知らなかったので新鮮でした。


SELinux徹底ガイド―セキュアOSによるシステム構築と運用 基本的な仕組みから高度な運用管理方法までを徹底解説


SELinuxについてのメモ:

  • SELinux Policy Editor は、まだkernel2.6用は無い。また、既存ポリシーの逆コンパイルはできない。
  • USENIXでIBMがPolicyのverification toolを出した。が、多分実用的ではない。


LIDSについてのメモ:

  • LIDS とは Linux Intrusion Detection System の略。
  • IDSではなく、SecureOSの1つ。中国のXieさんを中心に開発。
  • MACACLを設定。
  • ACLの記述が簡単。LSMに取り込まれている。カーネルモジュールとして提供されるかも?現在はパッチ。
  • lidsconfというコマンドで設定する
    • lidsconfではファイル名で設定するが、実際にはすべてinodeでチェックされる
    • /var はきつめのアクセス制御、/var/log/message はゆるめ、のように、きつい→ゆるいの順で書く
  • LIDSでは、Linuxの29個のケーパビリティを、デフォルトで全てoffで、与えていく形になる。
    • ケーパビリティは、LinuxJapan.com で連載があった。
    • ex) httpdの場合は port80と443を使用できるというケーパビリティを与える。
  • lidsconfは、ACLの設定ファイルをブート時にメモリに展開する。
  • 使うには、カーネルにパッチして、lidstoolsを入れる。vanillaカーネルにパッチするように。
  • LIDS搭載ディストリビューションは、多分"Advantex (debian based)" だけ?
  • LIDSは2.4カーネルも2.6カーネルもOK.
  • 「for 2.2カーネル」のころからの進化。
    • Stateful ACL の採用。
    • ACL Discovery mode. (SELinuxのパーミッシブモードのようなもの?)
  • LIDSにはRoleがない。
    • 組み込みではRoleは不要なのでLIDSでいいかも
  • LIDSはACLの記述が楽。
  • LIDSはプロセスACL*1の管理がイマイチ?
  • ITProのSecureOS連載にLIDSが載っている

*1:って何だろう…?